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星伍/29歳/福岡県/何気ない日々に思う事をのんびり綴るホークスファンの雑記帳。
by fivestar777jp
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WBCの光と影(大会について)
記念すべき第1回のWBC(World Baseball Classic)は、
王JAPANの優勝という形で幕を閉じました。
イチロー曰く「最高の屈辱を味わい、最高の瞬間を味わった」この大会、
問題点と意義を書く事で締めたいと思います。

まず大会の問題点について。
これは開催前から危ぶまれてたこと、開催中に明らかになったこと。
非常に多くの要素がありますが、改善することが必須な問題ばかりでしょう。

・MLBとMLB選手会による主催によることで、収益の約30%はMLBが得る点。
・日本は反対していたこの時期での開催と、それに伴う投手の投球制限。
・キューバを入国させない等の政治的背景。
・一方的に定められた2次リーグ、準決勝の組み分け。
・意図的に不正ジャッジと言われる審判の問題。
・選手が出場する国籍の問題。

まず全体に言えることですが、間違いなく独立した大会運営機関が必要です。
その上で、例えば各地域より2ヶ国ずつなど代表で選出し、実行委員会などを設置。
大会運営、開催方法などの国際基準が必要となることは明白デス。
今回発生した問題は「アメリカ主導のアメリカによるアメリカの為の大会」という、
非常に一方的な大会色が色濃く出てたのがまず間違いの始まりでしょう。
試合をする両国のあと、最後にアメリカの国歌が流れるのも常識では考えられないし、
アメリカの試合でアメリカの審判がジャッジをする事もまずあり得ない。

政治的な背景はアメリカとキューバの問題で、
これは2次リーグ→準決勝まで一方的な組み合わせが定められてる問題と直結。
邪推ですが…キューバを準決勝に進ませない(アメリカ本土に入れない為)に、
ドミニカ・プエルトリコ・ベネズエラというパート分けを固定してしまったように
思えてならないんですよね。
本来なら、2次リーグの時点で抽選でリーグ分けをする必要があるし、
アジアから2ヶ国であれば、それは同リーグに入ることは普通ではあり得ません。
結果、日本と韓国の同地区のチームが3度対戦するという形が生まれてしまいました。
さらに準決勝はクロス式(A1位vsB2位、B1位vsA2位)も当然でしょう。

審判は、メジャーの審判はギャラの折り合いがつかずに出場を拒否。
結果3Aの審判が務めることとなりました。
これは各国の野球の審判を選出し、該当試合に関係ない地域の審判
(日本vsアメリカなら中米の審判など)に裁いてもらうのが最も公正に見えます。
また当然ながら、審判をさらに上記の大会運営機関が監視する必要もあります。

それと国籍は当然守らなければなりません。
今回アメリカ代表でA.ロドリゲスは出場しましたが、彼の国籍はドミニカ。
例えるならイチローが「メジャー選手だからアメリカ代表で出る」みたいなもんで、
「どちらの国で出るか悩む」なんてことがあってはならないわけです。
単純な話ですが、これすら第1回大会から徹底されていませんでした。
これを許してしまったのは、大会運営がMLBだから…と最初に戻るわけです。

まずは第2回大会に向けて、独立した国際大会運営機関の設立が最低限必要でしょう。
そしてそれは、優勝国の日本が今回の参加国に提唱していく必要があると思われます。






まずは『野球の世界を決める大会』が開催出来たこと。これに尽きます。
上記のように大会前から問題はあったし、始まってからも次々と発生しました。
ただね、1歩目を始めなければ2歩目はない。もちろんその後も。
「良い大会に」という思いは実践・混乱・改善を繰り返して初めて実現化するわけで。
机上の空論をいくら論じたとこで限界があり、100%全て満足出来るものは出来ない。
不備があってもまずは“始める大切さ”が何より大事だった。

自国だから言うわけではないですが、決勝が日本vsキューバになって本当に良かった。
この決勝の2国、実にメジャーリーガーはイチローと大塚の2選手のみ。
これは“メジャー至上主義”に待ったをかける結果で、野球の難しさを再認識したはず。
メジャーリーグは世界最高峰のリーグと言われているが、
それと国別対抗戦での勝負は全く別ものである、ということがハッキリ分かった。
これがもし決勝がアメリカvsドミニカだったら…
「やっぱメジャーやん」になってたかもですし、アメリカ主導は加速したかも。
日本vsキューバはメジャー選手のいない国でも出場を促すきっかけになるかもだし、
「アメリカに勝てるかも」とヨーロッパの国も今後参加してくれれば大会も大きくなる。
そういう意味では、この第一回大会の結果だけを見ると、
今後の大会の意義と在り方に大きく可能性を感じると思うわけですよ。

そして何より、野球の人気低迷が懸念されている中での大会開催意義。
オリンピック競技からも野球の名前が無くなる悲しい現状は、
やはり「国際化」「世界基準の欠如」が一番大きな要因だと思うんです。
これは球場や費用の運営コストと、人気面の収益のバランスの悪さが問題なわけで、
まずは野球と言う競技の認知、浸透の意味で、国際大会は必要不可欠なツール。
野球の競技人口の増加と人気向上を考えれば、
今回の興業の成功と話題性、まずは良い“きっかけ”になるのでは。
興業面で成功したことで、次回大会のスポンサーも募りやすい。
門戸開放の面でもキューバが参加しファイナルまで残った意味も大きいですねぇ。

3年後に開催される予定の第2回大会に向けて、
まずは大会組織の整備化と抜本的な運営の仕組み作りが最低限の課題。
そして次回は今回よりも参加国の増加が叶えば最高デス。
10年先、30年先を見据えて、急務な部分と長期的スパンの必要なもの、
うまく課題をクリアしながらより良い大会へ変革していけるようして欲しいですよね。
その為には、まず第2回大会の開催はアメリカ以外の国で。
3回大会以降を考えると、ここは外せない条件のように思えます。
by fivestar777jp | 2006-03-22 01:50 | 日本プロ野球
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